総務担当として日々対応する電話業務は、社内外のコミュニケーションをつなぐ重要な役割を担っています。電話対応がスムーズにできると、業務効率が向上するだけでなく、企業全体の印象にも良い影響を与えます。逆に、対応が悪いと相手に不信感を抱かせ、社内の混乱につながることもあります。
本記事では、総務担当として押さえておきたい電話対応の基本と、社内外の電話を円滑にするための5つのルールを分かりやすく解説いたします。すぐに実践できるポイントばかりですので、業務に役立つスキルとしてぜひご活用ください。
■総務が知っておきたい電話対応の基本マナー
まずは、どんな場面でも役立つ基本的な電話マナーを整理します。基本ができているかどうかで、相手の受け取り方が大きく変わります。
●第一声と名乗り方が印象を決める
電話の第一声は、企業の印象そのものです。
明るい声と丁寧な名乗りが大前提です。
例:
「お電話ありがとうございます。〇〇会社 総務部でございます。」
聞き取りやすい声量と速度を意識し、はっきりと発声することが大切です。
●聞き取りやすい話し方
話す際には、以下のポイントを意識しましょう。
- 口をしっかり開けて発音
- ゆっくり丁寧に
- 笑声(声に笑顔をのせる)を意識
姿勢を正して話すだけで声が明るくなり、伝わりやすくなります。
●安心感を与える対応姿勢
電話では表情が見えません。そのため、言葉選びで安心感を伝える必要があります。
例:
✕「知らないです」
◎「確認して折り返しご連絡いたします」
相手の立場を尊重した言葉遣いが信頼を生みます。
■社内外の電話をスムーズにする5つのルール
次に、総務担当として特に意識しておきたい実践ルールを紹介いたします。
① 名指し人がいない場合でも丁寧に対応する
来客・離席・会議中など、担当者が不在であることも多くあります。
その際は、以下の流れで対応します。
- 状況説明
- 伝言をお預かりする提案
- 折り返しの約束を確認
例:
「恐れ入りますが、ただいま席を外しております。
よろしければ折り返しご連絡させていただきますので、ご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか。」
不親切な印象を与えない工夫が必要です。
② 正確な内容確認とメモの徹底
電話対応で最も多いトラブルは、「聞き間違い」「伝達漏れ」です。
必ず以下をメモしましょう。
- お名前
- 会社名
- 連絡先
- 用件
- 日時(折り返し対応やアポイントの場合)
聞き取れなかった場合も、遠慮なく聞き返して構いません。
③ 保留・取り次ぎの正しいタイミングと案内方法
保留の前には必ず一言添えます。
NG例:「ちょっと待ってください」
良い例:「お待たせしないよう確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
また、保留が長くなる場合は経過の共有も大切です。
例:「お時間を頂戴しており申し訳ございません。引き続き確認しております。」
丁寧な案内が不安や怒りを防ぎます。
④ 折り返し対応の期限と責任を明確にする
折り返し対応は、最も信頼が試される場面です。
以下を明確に伝えます。
- いつまでに(例:30分以内・本日中)
- 誰が(担当者名)
- どの方法で(電話・メールなど)
例:
「担当者より本日17時までにお電話させていただきます。」
期限を守れない場合は、途中経過でも必ず連絡を入れましょう。
⑤ トラブル時は情報整理と迅速な共有
問題が起きた際に求められるのは、速さと正確さです。
- 状況整理
- 対応経緯の記録
- 関係部署への連携
- 進捗確認の継続
総務は調整役であり、部門間をスムーズにつなぐ存在でもあります。
上記5つのルールを徹底することが、電話業務の質を高める鍵です。
■電話対応力を高めるための日常トレーニング
電話対応は「慣れ」が大きく影響します。
普段から練習することで安定した対応ができるようになります。
●ロールプレイとフィードバックを取り入れる
先輩や同僚と練習し、改善点を共有しましょう。
録音して振り返る方法も効果的です。
●クッション言葉の活用練習
相手の印象を柔らかくする言葉を使いこなせると、トラブルを未然に防げます。
例:
- 恐れ入りますが
- お手数をおかけいたします
- よろしければ
短いフレーズから自然に身につけられます。
●声の印象を良くする発声法
- 腹式呼吸
- 話す前の深呼吸
- 明瞭な発音
姿勢を正すだけで声質が大きく改善されます。
●スクリプトとマニュアル整備の重要性
基本フローがあるだけで、不安が大きく減ります。
例:「取り次ぎ」「折り返し」「不在時対応」など
組織全体の品質向上にもつながります。
■まとめ:電話対応は企業の“顔”|小さな改善が大きな信頼に
電話対応は、総務だけの業務ではありませんが、総務が中心となって品質を高めることで企業全体の信頼につながります。
本記事のポイントを振り返ります。
- 第一声と名乗り方は企業の印象を決める
- メモ、保留、折り返し対応に丁寧さが求められる
- トラブル時こそ迅速な連携が重要
- 日常的なトレーニングが品質を支える
電話対応のレベルが上がれば、業務効率が改善し、社内外からの信頼が高まります。
少しずつでも改善することで、必ず成果が現れます。
今日から実践できることをひとつ取り入れ、
「電話対応が得意な総務」として評価される存在を目指してみませんか?


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