社会人になって初めて電話対応を任されたとき、多くの新人が最初にぶつかる壁が「取り次ぎ」です。
「どう言えばいいのかわからない」「相手の名前が聞き取れなかった」「保留するときの声かけが難しい」など、慣れないうちは戸惑う場面が次々と出てきます。
しかし、電話の取り次ぎには明確な基本フローが存在し、要点さえ押さえておけば誰でもスムーズにできるようになります。
本記事では、新人が不安なく取り次げるように、失敗しやすい原因と改善方法、さらにそのまま使えるテンプレートを状況別でご紹介いたします。
■新人が取り次ぎで失敗しやすい原因とは?
まずは、なぜ電話の取り次ぎを難しいと感じてしまうのか、その原因を整理してみましょう。
●敬語や定型フレーズに自信がない
社会人として電話に出る以上、丁寧な言葉遣いが求められます。
しかし、敬語に慣れていないうちは「この言い方で合っているのか」と不安になり、言葉が詰まってしまいます。
●相手情報を正確にメモできない
名前・会社名・要件など、書くべき情報が多く、焦って聞き逃してしまう場面が起こりやすいです。
特に聞きなじみのない社名や名前は聞き取りにくく、混乱のもとになります。
●保留や取り次ぎの段取りが分からない
「保留と言われるけど、どう声をかければいい?」
「内線を繋ぐタイミングは?」
新人は一つひとつに悩んでしまいます。
原因を理解した上で、正しい手順を習得すれば、不安は自然と解消されていきます。
■失敗しない電話の取り次ぎ方|基本フロー解説
ここでは取り次ぎの一連の流れを、良い例・悪い例を交えながら解説いたします。
【1】受電〜名乗り
✕「はい、〇〇です」
◎「お電話ありがとうございます。○○会社でございます。」
第一声で企業の印象が決まるため、丁寧に名乗ることが基本です。
【2】要件確認(誰に/何の件で)
✕「誰に?」
◎「恐れ入りますが、どちらさまへのご用件でしょうか。」
目的を明確にすることで、以降の対応がスムーズになります。
【3】保留前の声がけ
✕「少しお待ちください」
◎「確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」
無言で保留にすると失礼にあたります。やり取りの途中で遮らないよう注意しましょう。
【4】取り次ぎ時の社内伝達
社内では丁寧ながらも簡潔に伝えます。
例:
「〇〇会社の山田さまより、△△の件でお電話です。」
状況を整理して伝えることで、担当者も対応しやすくなります。
【5】不在時の折り返し案内
✕「いません。ガチャ」
◎「申し訳ございません、ただいま席を外しております。差し支えなければ折り返しご連絡いたします。」
折り返し連絡先と時間を必ず確認します。
この5つの流れができれば、基本の取り次ぎは安心して対応できます。
■新人でも使える!状況別テンプレート集
実務でそのまま使えるフレーズを、シーン別にまとめました。
困ったときに手元に置いておくと安心です。
●担当者が在席している場合
「お電話代わりました、総務部の○○でございます。
△△の件でご連絡いただいております〇〇会社の山田さまからお電話です。おつなぎしてもよろしいでしょうか。」
●担当者が離席している場合
「申し訳ございません、担当者が席を外しております。
差し支えなければ、折り返しご連絡させていただきますので、お電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか。」
相手への配慮を忘れず、お待たせしない提案を行います。
●名前が聞き取れなかった場合(聞き返し)
「恐れ入ります、お名前をもう一度お伺いできますでしょうか。
お手数をおかけいたします。」
聞き返すことは失礼ではなく、正確に伝えるための重要行動です。
●折り返し対応が必要な場合
「担当者より、本日中にご連絡申し上げます。
ご都合のよろしいお時間はございますでしょうか。」
具体的な時間を確認することで、相手の不安を減らします。
●他部署や別会社案件だった場合
「確認のためお伺いしたいのですが、〇〇の件についてでお間違いございませんか。
恐れ入りますが、担当部署へおつなぎしてもよろしいでしょうか。」
判断に迷った際は無理にその場で対応せず、適切な担当へ丁寧に橋渡しします。
テンプレートを活用することで、焦りが激減し、安心感を持って会話が進められるようになります。
■まとめ:手順とテンプレがあれば取り次ぎは怖くない
電話の取り次ぎは、社会人にとって基本的なスキルです。
しかし慣れないうちは不安でいっぱいになることも自然なことです。
本記事のポイントを振り返ります。
- 電話取次は5つの手順で確実に実施できる
- 丁寧な問いかけが信頼を生む
- 聞き返しや確認は失礼ではない
- テンプレートを手元に置けば安心して対応できる
電話対応は経験を重ねることで必ず上達します。
焦らず、一つずつできることを増やしていけば大丈夫です。
次に鳴る一本の電話を、スキルアップのチャンスとして捉えてみてください。
自信を持って取り次げたとき、電話対応への不安は徐々に小さくなっていきます。

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