電話対応マニュアル新人教育に使えるチェックリスト

マナー

社会人として最初に任されることの多い業務のひとつが電話対応です。私自身も新人の頃は「会社の代表として電話に出る」という緊張感から、受話器を取るたびに不安でいっぱいでした。電話は相手の顔が見えないため、声のトーンや言葉遣いだけで印象が決まります。ちょっとした言い回しの誤りや言葉の不足が「頼りない人」という評価につながることもあり、非常に注意が必要です。

新人教育において電話対応の基礎を体系的に学ぶことは、本人の自信を高めるだけでなく、会社全体の信頼にもつながります。そのため、チェックリストを活用してポイントを整理し、繰り返し練習できる環境を整えることが大切です。以下では、私が実際に教育や実務の中で意識してきた基本ステップと改善点をまとめました。

電話対応の基本ステップとチェックリスト

新人が安心して電話に出られるように、業務の流れを4つのステップに整理しました。各段階ごとにチェックリストを作ることで、緊張していても落ち着いて対応できます。

1. 受電時:第一声・名乗り・メモの準備

電話が鳴ったら3コール以内に出るのが基本です。第一声は明るくはっきりと、笑顔を意識して話すと声の印象も良くなります。

チェックリスト

  • 「お電話ありがとうございます。○○株式会社でございます」と名乗れているか
  • 相手の社名・名前を正確に聞き取っているか
  • メモとペンを準備して要件を残しているか

私も新人時代、最初に社名を噛んでしまった経験があります。何度も練習するうちに自然に言えるようになったので、繰り返し声に出す練習が効果的です。

2. 対応中:敬語の使い方・復唱・適切な相槌

相手の話を途中で遮らず、丁寧に聞く姿勢が大切です。相槌を入れると「聞いてくれている」と相手が安心します。また、聞き取った内容は必ず復唱しましょう。

チェックリスト

  • 「承知いたしました」「かしこまりました」と正しい敬語を使えているか
  • 「はい」「恐れ入ります」など適切な相槌を入れているか
  • 日時や数字を必ず復唱して確認しているか

私は以前「了解しました」と言ってしまい、上司から「お客様には『承知いたしました』の方が適切だ」と指摘されたことがあります。この経験以来、正しい言葉を意識的に使うようにしています。

3. 取次ぎ・保留:正しい言い回しと配慮の仕方

担当者に取り次ぐときや保留にする場合、相手に不快感を与えない言葉遣いが重要です。

チェックリスト

  • 取次ぐ際:「恐れ入りますが、△△におつなぎいたします。少々お待ちくださいませ」と伝えているか
  • 保留の際:「確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」と前置きしているか
  • 保留が長引くときに「お待たせして申し訳ございません」と一度戻って伝えているか

新人の頃、私は何も言わずに保留ボタンを押してしまい、お客様から「切れたかと思った」と注意を受けたことがあります。以来、必ず声掛けを徹底するようにしています。

4. 終話時:感謝・再確認・丁寧な締めくくり

電話の最後は感謝の言葉で締めることが印象を良くします。

チェックリスト

  • 用件が正しく伝わったか再確認できているか
  • 「本日はお電話いただきありがとうございました」と感謝を伝えているか
  • 「失礼いたします」と丁寧に締めくくれているか

終話時の印象は特に強く残ります。新人時代に「それでは失礼します」と事務的に終えてしまい、上司から「感謝の一言を添えるだけで印象が変わる」とアドバイスを受けたことがありました。それ以来、最後に一言添える習慣を大切にしています。

新人が陥りやすい失敗と改善ポイント

電話対応は経験を積む中で改善されていきますが、新人が特に失敗しやすいポイントがあります。私自身の失敗談も交えて整理しました。

声が小さい・名乗りが不明瞭

緊張すると声が小さくなり、相手に聞き返されることが多くなります。改善のためには、腹式呼吸を意識し、少し高めの声でハキハキと話す練習が効果的です。

誤った敬語や口癖を使う

「ご苦労様です」「なるほどですね」などは誤用の代表例です。正しくは「お疲れ様でございます」「おっしゃる通りでございます」といった表現が望ましいです。私も「了解しました」を多用してしまった時期があり、直すまでに時間がかかりました。

メモ不足による伝達ミス

相手の要件をメモに残さないと、後から記憶が曖昧になり誤った情報を伝えてしまうことがあります。新人時代に一度、日時を間違えて伝えてしまい、大きな迷惑をかけてしまいました。それ以来、必ず復唱とメモを徹底しています。

保留・折り返し時の不適切な表現

「いません」「後で電話してください」といった言い方は不快感を与えます。正しくは「ただいま席を外しております。戻り次第、折り返しご連絡いたします」と伝えるべきです。

まとめ

電話対応は新人にとって最初の壁となりやすい業務ですが、基本の流れをチェックリストとして整理し、繰り返し実践することで確実に上達します。

  • 受電時:明るくはっきりと名乗り、必ずメモを取る
  • 対応中:正しい敬語を使い、復唱で確認する
  • 取次ぎ・保留:配慮ある言葉を添えて相手を待たせる
  • 終話時:感謝と再確認を忘れず、丁寧に締める

失敗は誰にでもありますが、チェックリストを意識して振り返ることで改善できます。私自身も数多くの失敗を通じて少しずつ自信を持てるようになりました。電話対応は単なる事務作業ではなく、会社の信頼を築く大切な役割です。新人教育においてこのチェックリストを活用し、日々の実践を通じて自然な言葉づかいを身につけることが、成長への近道となるでしょう。


コメント

タイトルとURLをコピーしました