電話対応の中で、よく使われる言葉に「少々お待ちください」があります。
担当者へ取り次ぐ時。
資料を確認する時。
質問への回答を社内で確認する時。
このように、相手に少し待ってもらう場面は多くあります。
新人の電話対応でも、「少々お待ちください」は頻繁に使う表現です。
しかし、何気なく使っているこの言葉について、迷う方も少なくありません。
「本当に正しい表現なのか」
「どのくらい待たせてもよいのか」
「保留前に何を伝えるべきか」
このような疑問が出やすい表現でもあります。
特に電話対応に慣れていない新人は、焦ってすぐ保留ボタンを押してしまいがちです。
その結果、相手に不安や不快感を与えてしまうことがあります。
電話は、相手の表情が見えません。
だからこそ、言葉遣いや間の取り方が印象を左右します。
「少々お待ちください」と伝えても、理由がわからなければ相手は不安になります。
保留時間が長すぎると、「放置されているのでは」と感じる場合もあります。
大切なのは、ただ保留にすることではありません。
相手が安心して待てるように配慮することです。
本記事では、「少々お待ちください」は正しい表現なのかを解説します。
あわせて、保留前の伝え方、長く待たせる時の対応、保留解除後の一言も紹介します。
1. 電話対応で「少々お待ちください」は正しい表現なのか
結論から言うと、「少々お待ちください」は電話対応で使っても問題ない表現です。
相手に短時間待ってもらう時の一般的な言い方です。
ビジネス電話でも広く使われています。
たとえば、次のような場面で使えます。
- 担当者へ取り次ぐ時
- 資料を確認する時
- 社内で内容を確認する時
- 電話番号や在席状況を確認する時
ただし、「少々お待ちください」は便利な表現である一方、使い方には注意が必要です。
「少々」は短時間を意味する
「少々」とは、短い時間を表す言葉です。
そのため、長く待たせる可能性がある場面で使うと、相手に違和感を与えることがあります。
たとえば、担当者がすぐ見つからない場合。
資料確認に数分以上かかりそうな場合。
他部署への確認が必要な場合。
このような場面で「少々お待ちください」とだけ伝えると、相手はいつまで待てばよいかわかりません。
電話の待ち時間は、実際より長く感じられやすいです。
短い保留か、長くなりそうな確認かで、言い方を変える必要があります。
理由を添えると安心感が出る
「少々お待ちください」だけでは、なぜ待つ必要があるのかが伝わりません。
担当者へ取り次ぐのか。
資料を確認するのか。
上司に確認するのか。
理由がわかれば、相手は安心して待ちやすくなります。
悪い例
「少々お待ちください」
この言い方だけでも間違いではありません。
しかし、理由がないため、相手は状況を把握しにくくなります。
良い例
「担当者に確認いたしますので、少々お待ちくださいませ」
「資料を確認いたしますので、少々お時間をいただけますでしょうか」
「担当の者におつなぎいたしますので、少々お待ちくださいませ」
理由を一言添えるだけで、丁寧で安心感のある対応になります。
丁寧に言い換える表現
取引先やお客様への電話では、少し丁寧に言い換えると印象が良くなります。
使いやすい表現は、次の通りです。
- 恐れ入りますが、少々お待ちいただけますでしょうか
- 確認いたしますので、少々お待ちくださいませ
- 担当者に確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか
- お調べいたしますので、少々お時間をいただけますでしょうか
ただし、丁寧にしすぎて長くなりすぎると、不自然になる場合もあります。
短時間の取り次ぎであれば、「少々お待ちくださいませ」で十分です。
確認に時間がかかりそうな場合は、「少しお時間をいただきます」と具体的に伝えましょう。
2. 保留にする前に必ず伝えるべきこと
電話を保留にする前に、何も言わずに保留ボタンを押してはいけません。
急いでいる時ほど、無言で保留にしてしまいがちです。
しかし、相手からすると状況がわかりません。
「電話が切れたのか」
「こちらの声は聞こえているのか」
「なぜ待たされているのか」
このような不安を与えてしまいます。
保留前には、必ず一言添えることが大切です。
保留前に伝えるべき3つのこと
保留にする前には、次の3点を意識しましょう。
- なぜ保留にするのか
- 何を確認するのか
- 待ってもらってよいか
この3つを伝えると、相手は安心して待ちやすくなります。
たとえば、担当者へ取り次ぐ場合は次のように伝えます。
「担当の者におつなぎいたしますので、少々お待ちくださいませ」
内容確認が必要な場合は、次のように伝えます。
「確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
資料を調べる場合は、次のように伝えます。
「資料を確認いたしますので、少々お時間をいただけますでしょうか」
理由を添えるだけで、保留の印象は大きく変わります。
時間がかかりそうな時は先に伝える
すぐに確認できるかわからない時は、「少々」だけで済ませないほうが安全です。
相手にも都合があります。
長く待つより、折り返しを希望する場合もあります。
そのため、時間がかかりそうな場合は、最初に伝えましょう。
「確認に少しお時間をいただく可能性がございます」
「少々お調べする必要がございます」
「確認でき次第、折り返しご連絡することも可能でございます」
このように伝えると、相手は状況を理解しやすくなります。
実務ケース:在庫確認で保留にする場合
たとえば、顧客から次のような電話があったとします。
「〇〇の商品は、まだ在庫がありますか」
この時、すぐにわからない場合は保留が必要です。
悪い対応は、何も説明せずに保留にすることです。
悪い例
「少々お待ちください」
この言い方だけだと、何を確認するのかが伝わりません。
良い例
「在庫状況を確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
もし確認に時間がかかりそうなら、次のように続けます。
「確認に少しお時間をいただく可能性がございます。折り返しでのご連絡も可能ですが、いかがいたしましょうか」
このように伝えると、相手の時間に配慮した対応になります。
保留前に用件を復唱する
保留に入る前には、相手の用件を確認することも大切です。
何を確認すべきか曖昧なまま保留にすると、社内で確認しても必要な答えにたどり着けません。
たとえば、次のように復唱します。
「〇〇商品の在庫についてのご確認でございますね」
「請求書の到着状況について確認いたします」
「面接日程の変更についてでございますね」
この一言で、聞き間違いを防ぎやすくなります。
保留前の復唱は、ミス防止にもつながります。
3. 保留時間が長くなる時のマナーと対応例
電話対応では、保留時間をできるだけ短くすることが基本です。
相手は電話口で待っている間、他の作業ができません。
対面で待つより、電話での待ち時間は長く感じられます。
そのため、保留が長くなりそうな場合は、早めに対応を切り替える必要があります。
長くなる前に一度電話へ戻る
保留が30秒から1分程度を超えそうな場合は、一度電話に戻ると丁寧です。
職場のルールにもよりますが、大切なのは放置しないことです。
確認に時間がかかっている場合は、次のように伝えます。
「お待たせして申し訳ございません。現在確認しておりますので、もう少々お待ちいただけますでしょうか」
この一言があるだけで、相手は放置されていないと感じます。
保留のまま何分も待たせるより、一度戻って状況を説明するほうが安心感があります。
さらに時間がかかる時は折り返しを提案する
確認に時間がかかる場合は、無理に待たせ続けないことが大切です。
担当者がすぐにつかまらない。
資料の確認に時間がかかる。
他部署への確認が必要になる。
このような場合は、折り返しを提案しましょう。
「確認にお時間をいただいております。恐れ入りますが、確認でき次第、折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか」
この対応なら、相手の時間を必要以上に奪わずに済みます。
相手が急いでいる場合は、折り返しの希望時間も確認します。
「本日中のご連絡をご希望でしょうか」
「何時頃までのご回答をご希望でしょうか」
急ぎの度合いを確認しておくと、担当者にも共有しやすくなります。
実務ケース:担当者が見つからない場合
たとえば、取引先から担当者宛に電話がありました。
保留にして担当者を探したものの、席にいません。
社内チャットにもすぐ反応がありません。
この場合、保留を続けるのはよくありません。
一度電話に戻り、次のように伝えます。
「お待たせして申し訳ございません。〇〇はただいま席を外しているようでございます。よろしければ、戻り次第折り返しご連絡するよう申し伝えましょうか」
ここで大切なのは、状況を簡潔に伝えることです。
「どこにいるかわかりません」など、内部事情をそのまま話す必要はありません。
相手に必要なのは、担当者につながるかどうかと、次にどう対応するかです。
保留中の社内会話にも注意する
保留中は、社内で確認することがあります。
ただし、電話機の操作ミスで相手に声が聞こえる可能性もあります。
保留ボタンを押したつもりでも、実際には保留になっていないこともあります。
そのため、相手に聞かれて困る発言は避けましょう。
特に、次のような言葉は危険です。
- この人、何の件だろう
- 担当者が捕まらない
- また同じ問い合わせです
- ちょっと面倒な内容です
保留中でも、相手に聞こえる可能性がある前提で行動することが大切です。
4. 保留解除後に使える一言と注意点
保留を解除した後は、すぐに用件を話し始めないようにします。
まずは、待ってもらったことへの一言を伝えましょう。
短時間の保留でも、「お待たせいたしました」と言うだけで丁寧な印象になります。
保留解除後の基本フレーズ
保留解除後に使いやすい表現は、次の通りです。
- お待たせいたしました
- 大変お待たせいたしました
- お待たせして申し訳ございません
短時間の保留であれば、「お待たせいたしました」で十分です。
長く待たせてしまった場合は、次のように伝えます。
「大変お待たせいたしました」
「お待たせして申し訳ございません」
待ち時間に応じて、表現を変えると自然です。
確認結果は結論から伝える
保留解除後は、確認結果を簡潔に伝えます。
担当者へ取り次げる場合は、次のように言います。
「お待たせいたしました。担当の〇〇におつなぎいたします」
担当者が不在の場合は、次のように伝えます。
「お待たせいたしました。申し訳ございません。〇〇はただいま席を外しております」
確認結果を伝える場合は、次のように言います。
「お待たせいたしました。確認いたしましたところ、〇〇でございます」
保留解除後は、「お待たせいたしました」から始めると流れが自然です。
確認できなかった場合の伝え方
確認したものの、すぐに答えが出ないこともあります。
この時に、「わかりませんでした」だけで終わるのは避けましょう。
大切なのは、次にどう対応するかを伝えることです。
悪い例
「すみません、わかりませんでした」
「担当がいないので答えられません」
「確認できませんでした」
これでは、相手は次にどうすればよいかわかりません。
良い例
「申し訳ございません。すぐに確認が取れない状況でございます。確認でき次第、折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか」
「恐れ入ります。担当者に確認のうえ、改めてご連絡いたします」
「確認にお時間をいただきますので、折り返しのご連絡でもよろしいでしょうか」
答えがすぐに出ない場合でも、次の流れを示せば相手は安心しやすくなります。
焦って早口で話さない
新人の場合、待たせてしまった申し訳なさから、急いで説明しようとすることがあります。
しかし、早口になると相手が聞き取りづらくなります。
再度確認が必要になり、かえって時間がかかることもあります。
保留後こそ、落ち着いて話しましょう。
ポイントは次の3つです。
- まず「お待たせいたしました」と伝える
- 結論から話す
- 必要な場合は次の対応を示す
この流れを意識すると、保留後も落ち着いて対応できます。
まとめ:「少々お待ちください」は使い方が大切
電話対応で使う「少々お待ちください」は、正しい表現です。
担当者へ取り次ぐ時や、内容を確認する時など、短時間待ってもらう場面で使えます。
ただし、どの場面でも同じように使えばよいわけではありません。
確認に時間がかかりそうな場合は、「確認に少しお時間をいただきます」と伝えます。
さらに時間がかかる場合は、折り返しを提案することも必要です。
保留にする前には、なぜ待ってもらうのかを伝えましょう。
「担当者に確認いたしますので」
「資料を確認いたしますので」
「在庫状況を確認いたしますので」
このように理由を添えるだけで、相手は安心しやすくなります。
保留時間が長くなりそうな時は、一度電話に戻ります。
そのまま待たせ続けるのではなく、状況を説明することが大切です。
保留解除後には、「お待たせいたしました」と伝えてから用件に戻ります。
長く待たせた場合は、「大変お待たせいたしました」と伝えると丁寧です。
新人が今日から意識すべき行動は、次の3点です。
- 保留前に、待ってもらう理由を必ず伝える
- 30秒から1分を超えそうな場合は、一度電話に戻る
- 保留解除後は「お待たせいたしました」から話し始める
電話対応では、保留の仕方ひとつで相手に与える印象が変わります。
大切なのは、機械的に「少々お待ちください」と言うことではありません。
相手の時間を預かっている意識を持つことです。
保留前の説明、待たせる時間への配慮、保留解除後の一言。
この3つを意識すれば、新人でも信頼感のある電話対応に近づけます。
次の記事も同じ形で整えられます。


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